【日産ノートNE11-エアコンブロアモーター交換他】
冷暖房をONにして風が来るときと来ないときが有るということで来店いただきました。
冷暖房は扇風機のような風を送り出す働きをするブロワモーターが回って送風されるのですが、これが回っていませんでした。
故障診断をしたところ、モーターの回転をコントロールするパワートランジスタのはんだが溶けて接触不良を起こしていました。
ここは配線を介して大電流が流れるところでもあり、同社のキューブやティーダの車種にもこのような傾向があるそうです。
走行距離が13万キロを超えていて、新車登録から12年以上経っています。
他にモーターのブラシの摩耗の可能性もあるため、取り出して分解してみると…
やはりブラシの摩耗が進んでいました。
ですのでトランジスタのはんだ付けと、ブロアモーターの交換を同時に行いました。
そのブロアモーター交換ですが、同じ症例を数多く経験している整備士であれば問題ないと思います。
同じような内容の紹介がネット等で数多く出てはいます。
特に日産ノートのこのタイプはオーディオ、コンソール、ステアリング、エアバッグとはずしていくもの満載…
そして、ごつい金属フレームが邪魔で手を入れる隙間も狭く…
そこそこ苦労する作業内容ですのでピンポイントで参考になればさいわいと思い作業の流れをご覧ください。
▼安全の為バッテリーのマイナスターミナルを外しておきます。
▼中央のエアコン吹き出し口のついたパネルと、オーディオをはずします。
▼(初めて作業される方に少しでも参考になればよいのですが)①から順にはずしていきました。
▼意外ですが、エアコンコントロールパネルを外すには前列シートを繰り返しスライドさせてドリンクホルダーを先にはずしておく必要があります。
▼さらに中に1本コネクタがあるため、ボックスを上に引っ張っても取れません。
▼ATシフトレバーがPのままではくぐり抜けできませんのでシフトロックを押しながら後方にずらしておきます。
▼ようやく中央のドリンクホルダーがはずれます。エアコンコントロール盤は手前に引き抜きます。
▼ダッシュボード側のビスは6カ所留まっています。
▼今回の作業機会にエアコンフィルタも一緒に交換します。
このときに基盤を取り出してはんだ付けをし直しました。
▼ステアリングを外します。
プラスチックカバーははずす必要はありますが、サイドブレーキワイヤー自体は外さなくてもOKでした。
▼モジュレーターのビスが螺子ロックによって片方だけが緩まない状態でした。
螺子は異常に固く、特殊な星型工具が壊れる程でした(-_-)/~~~
どうにもならず、螺子の頭をドリルでカットし、ナットを熔接してはずします。こんなことは稀のケースです。
▼助手席側エアバッグのユニットを外します。ナットは合計4ヵ所。
続いてフロントガラスとサイド間のピラーモールとフロントガラス寄りの平型パネルを外します。
▼エアバッグのコネクタ外しもこれまた参考になればと…載せます。
▼内部が見えてきました。
▼このパーツをはずしておけばスペースが広がって作業し易くなります。
▼取り出すというよりも摘出するという表現が合ってます(汗)
▼この羽根車状のものがブロアモーターです。左が使用済み。右が新品。経年により汚れとブラシの摩耗も進んでいました。
▼狭いですが、手を伸ばしてひと踏ん張りです。
エアバッグをはずした関係でディスプレイにエアバッグマークが表示されたままのエラーがでているため、スキャンツールを使い、エラーコードを復旧しておきます。
パーツを元に組み立てて、エンジンをかけてエアコンの送風がきていることを確認したら作業完了です。
閲覧いただきありがとうございました。